33 1/3r.p.m
「33 1/3r.p.m」 鑑賞 2000/01/23
【監 督】 木澤雅博
【キャスト】 水橋研二/岩本あきら
多分1970年代の初頭を舞台にしたモラドリアムな青春を描いた作品。でも監督の<気分>が全面に出過ぎてて、物語としては一人よがりで感情移入できない。やっぱ30年も前の閉塞感って2000年の今の閉塞感に比べて「幼い」って感じ。70年代の行き場の無いエネルギーは<闘争>っていう外へ向かう捌け口が失われて、内側へ向かい始めたころなのかな。主人公の友達が田舎に帰るシーンがそんなセリフでまとめられる。でも2000年の私たちの閉塞感って、より内側の宇宙に向かってしまって、外へ向かっては自虐か自滅か自己破壊にしかモードが選択できないのかもしれない。私だけかなぁ。同じような鬱病でも分裂型なのか諦観型なのかの差かもしれない。もちろん2000年のは諦観型よね。馴染みの無いフォークソングがこれでもか!ってBGMで流れて、監督や原作者の自己満足映画なんだけど、やっぱり、答の無い問題を放り投げられてる感じがしてあんまり感心しないなぁ。懐古が美化されるっていうか、都合よく思い出しすぎ。だから汚い世界を汚く描いているらしいけど汚く見えない。思いでのフィルターが濁っているのね。私は今の私を描く本当の時代映画を見たいな。
【結論】映画って製作者の意図に「都合よく」合せて作られるけど、この作品はそれだけで観客不在。ってゆーか、かなりハードルを高くしてあるみたい。でもそれがエレガントじゃないの。
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