2025-012M 「どうすればよかったか?」☆☆☆★

Sdousurebayokatta邦題:どうすればよかったか?
時間:101分
公開:2024-12-07
製作年度:2024
製作国:日本
配給:東風
製作総指揮:
製作:淺野由美子
監督:藤野知明
脚本:
原作:
撮影:藤野知明 淺野由美子
音楽:
出演:

ドキュメンタリー監督の藤野知明が、統合失調症の症状が現れた姉と、彼女を精神科の受診から遠ざけた両親の姿を20年にわたって自ら記録したドキュメンタリー。

面倒見がよく優秀な8歳上の姉。両親の影響から医師を目指して医学部に進学した彼女が、ある日突然、事実とは思えないことを叫びだした。統合失調症が疑われたが、医師で研究者でもある父と母は病気だと認めず、精神科の受診から彼女を遠ざける。その判断に疑問を感じた藤野監督は両親を説得するものの解決には至らず、わだかまりを抱えたまま実家を離れる。

姉の発症から18年後、映像制作を学んだ藤野監督は帰省するたびに家族の様子を記録するように。一家全員での外出や食卓の風景にカメラを向けながら両親と対話を重ね、姉に声をかけ続けるが、状況はさらに悪化。ついに両親は玄関に鎖と南京錠をかけて姉を閉じ込めるようになってしまう。

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2025-011M 「The Girl with the Needle」☆☆☆★★

Sharimotuonnna原題:Pigen med nalen
邦題:The Girl with the Needle
時間:115分
公開:2025-05
製作年度:2024
製作国:デンマーク・ポーランド・スウェーデン
配給:トランスフォーマー
製作総指揮:
製作:
監督:マグヌス・フォン・ホーン
脚本:マグヌス・フォン・ホーン
原作:
撮影:ミハウ・ディメク
音楽:
出演:ビクトリア・カルメン・ゾンネ、トリーヌ・ディルホム、テッサ・ホーダー

2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

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2025-010M 「サラリーマン金太郎【暁】編」☆☆☆

Ssarakin1邦題:サラリーマン金太郎【暁】編
時間:110分
公開:2025-01-10
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ライツキューブ、ティ・ジョイ
製作総指揮:
製作:
監督:下山天
脚本:田中眞一
原作:本宮ひろ志
撮影:
音楽:BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE
出演:鈴木伸之(矢島金太郎)、城田優(鷹司誠士)、石田ニコル(美鈴)、文音(秀麗)、影山優佳(一美)、竹島由夏(栄子)、米倉れいあ(千尋)、山口大地、斎藤さらら、前田瑞貴、川合智己、佳久創、橋本じゅん(大島社長)、尾美としのり(黒川専務)、浅野温子(加代)、榎木孝明(大和守之助)

これまでも高橋克典や永井大の主演で映像化されてきた、本宮ひろ志の名作マンガ「サラリーマン金太郎」を、「東京リベンジャーズ」シリーズの鈴木伸之主演で新たに映画化する前後編2部作の前編。元暴走族のヘッドでマグロ漁師からサラリーマンの世界に飛び込んだ不屈の男・矢島金太郎が、持ち前の度胸や腕っぷしの強さを武器に令和の社会で大暴れする姿を描く。

金太郎のライバルとなる鷹司役を城田優、金太郎の最大の理解者である大和建設会長・大和守之助役を榎木孝明、金太郎と敵対する2代目社長・大島役を橋本じゅん、サラリーマンの矜持を厳しく教える専務・黒川役を尾美としのり、金太郎に好意を寄せる高級クラブのママ・美鈴役を石田ニコル、半グレグループのリーダー・李秀麗役を文音、金太郎を会社で支える社員・一美役を影山優佳、物語の鍵を握る老女・加代役を浅野温子が演じる。

「ALIVEHOON アライブフーン」の下山天が監督を務め、テレビドラマ「GTO」シリーズの田中眞一が脚本を手がけた。7人組ダンス&ボーカルグループ「BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE」が主題歌を担当。

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2025-009M 「グランメゾン・パリ」☆☆☆★

Sgrandmaisonparis邦題:グランメゾン・パリ
時間:117分
公開:2024-12-30
製作年度:2024
製作国:日本
配給:東宝、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
製作総指揮:
製作:
監督:塚原あゆ子
脚本:黒岩勉
原作:
撮影:
音楽:木村秀彬
出演:木村拓哉(尾花夏樹)、鈴木京香(早見倫子)、オク・テギョン(リック・ユアン)、正門良規(小暮佑)、玉森裕太(平古祥平)、寛一郎(芹田公一)、吉谷彩子(松井萌絵)、中村アン(久住栞奈)、冨永愛(リンダ・真知子・リシャール)、及川光博(相沢瓶人)、沢村一樹(京野陸太郎)

木村拓哉主演による2019年放送のテレビドラマ「グランメゾン東京」の続編となる映画版。

レストラン「グランメゾン東京」が日本で三つ星を獲得してから時が過ぎた。尾花夏樹と早見倫子はフランス料理の本場パリに新店舗「グランメゾン・パリ」を立ち上げ、アジア人初となるミシュラン三つ星獲得を目指して奮闘していたが、異国の地のシェフにとっては満足のいく食材を手に入れることすら難しく、結果を出せない日々が続いていた。そんなある日、ガラディナーでの失態が原因で、尾花はかつての師と「次のミシュランで三つ星を獲れなければ、店を辞めフランスから出ていく」という約束をしてしまう。

尾花役の木村、早見役の鈴木京香をはじめテレビドラマのキャストが再結集するほか、韓国のアイドルグループ「2PM」のオク・テギョン、アイドルグループ「Aぇ! group」の正門良規が新キャストとして参加。テレビドラマ「アンナチュラル」の塚原あゆ子が監督、「キングダム」シリーズの黒岩勉が脚本を手がけ、実際にアジア人初となるフランスの三つ星を獲得した「Restaurant KEI」の小林圭シェフが料理監修を担当。

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2025-008M 「劇映画 孤独のグルメ」☆☆☆★

Skodokunogrumet邦題:劇映画 孤独のグルメ
時間:110分
公開:2025-01-10
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:浅野太 吉見健士
製作:小松幸敏 佃敏史 古郡真也
監督:松重豊
脚本:松重豊 田口佳宏
原作:久住昌之、谷口ジロー
撮影:赤松比呂志
音楽:Kan Sano The Screen Tones
出演:松重豊(井之頭五郎)、内田有紀(志穂)、磯村勇斗(中川)、村田雄浩(滝山)、ユ・ジェミョン(韓国入国審査官)、塩見三省(松尾一郎)、杏(松尾千秋)、オダギリジョー(店主)

原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる同名漫画を実写化し、グルメドキュメンタリードラマの代名詞的存在として長年にわたり人気を集めるテレビドラマ「孤独のグルメ」シリーズの劇場版。主演の松重豊が自ら監督を務め、主人公・井之頭五郎が究極のスープを求めて世界を巡る姿を描く。

輸入雑貨の貿易商・井之頭五郎は、かつての恋人である小雪の娘・千秋からある依頼を受けてフランスへ向かう。パリに到着するといつものように空腹を満たし、依頼者である千秋の祖父・一郎のもとを訪れる。一郎は子どもの頃に飲んだスープをもう一度飲みたいと願っており、五郎にそのレシピと食材を探してほしいと依頼。わずかなヒントを頼りに、究極のスープを求めてフランス、韓国、長崎、東京を駆け巡る五郎だったが、行く先々でさまざまな人物や事件に遭遇し、次第に大きな何かに巻き込まれていく。

韓国領の島で暮らす女性・志穂を内田有紀、スープ探しを手伝うことになる青年・中川を磯村勇斗、五郎をフランスに呼ぶ千秋を杏、千秋の祖父・一郎を塩見三省、中華ラーメン店「さんせりて」の店主をオダギリジョー、五郎の同業者・滝山を村田雄浩が演じ、ドラマ「梨泰院クラス」のユ・ジェミョンが韓国入国審査官役で特別出演。

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2025-007M 「オークション 盗まれたエゴン・シーレ」☆☆☆★

Sauctionegon原題:Le tableau vole
邦題:オークション 盗まれたエゴン・シーレ
時間:91分
公開:2025-01-10
製作年度:2023
製作国:フランス
配給:オープンセサミ、フルモテルモ
製作総指揮:
製作:サイード・ベン・サイード
監督:パスカル・ボニゼール
脚本:パスカル・ボニゼール
原作:
撮影:ピエール・ミロン
音楽:アレクセイ・アイギ
出演:アレックス・ルッツ(アンドレ)、レア・ドリュッケール(ベルティナ)、ノラ・アムザウィ(エゲルマン弁護士)、ルイーズ・シュヴィヨット(オロール)、アルカディ・ラデフ(マルタン)、ロランス・コート(シーヌ)、オリヴィエ・ラブルダン(エルベ・カン)、アラン・シャンフォー(オロールの父親)、マリサ・ボリーニ(X夫人)、マチュー・ルッキ(パコ)、イリエス・カドリ(カメル)、ヴィンセント・ネメス(フランシス・ヴィエルヴィル)、アレクサンドル・スタイガー(アンリ・ダンブルーズ)、ダグ・ランド(ボブ・ワルベルグ)、ピーター・ボンク(サムソン・コーナー)、アドリアン・ドゥ・ヴァン(ロシュブール弁護士)

ナチスドイツに略奪されたエゴン・シーレの絵画「ひまわり」を巡って美術オークションの世界で繰り広げられる駆け引きの行方を、実話にインスパイアされて描いたフランス映画。

パリのオークションハウスで働く競売人アンドレ・マッソンは、エゴン・シーレ作と思われる絵画の鑑定を依頼され、元妻で相棒のベルティナとともにフランス東部の工業都市ミュルーズを訪れる。絵があるのは、化学工場に勤める青年マルタンが父亡き後に母と2人で暮らす家だった。シーレほどの著名作家の絵画はここ30年ほど市場に出ておらず、当初は贋作を疑うアンドレだったが、現物を見てシーレの傑作であることを確信。思いがけず発見された名画を巡り、さまざまな思惑を秘めたドラマが動きだす。

小説家・映画監督・コメディアンとして活躍するアレックス・ルッツが競売人アンドレ、「ジュリアン」のレア・ドリュッケールが相棒ベルティナを演じた。監督・脚本は、ジャック・リベット監督作の脚本や「華麗なるアリバイ」などの監督作で知られるパスカル・ボニゼール。

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2025-006M 「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」☆☆☆★★

Snamonakimono原題:A Complete Unknown
邦題:名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN
時間:142分
公開:2025-02-28
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:マイケル・ベダーマン ブライアン・カバナー=ジョーンズ アンドリュー・ローナ
製作:フレッド・バーガー ジェームズ・マンゴールド アレックス・ハインマン ボブ・ブックマン ピーター・ジェイセン アラン・ガスマー ジェフ・ローゼン ティモシー・シャラメ
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:ジェームズ・マンゴールド ジェイ・コックス
原作:
撮影:フェドン・パパマイケル
音楽:ニック・バクスター
出演:ティモシー・シャラメ、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ、ボイド・ホルブルック、ダン・フォグラー、ノーバート・レオ・バッツ、スクート・マクネイリー

2016年に歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの若い日を描いた伝記ドラマ。「デューン 砂の惑星」「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」のティモシー・シャラメが若き日のボブ・ディランを演じ、「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」「フォードvsフェラーリ」などを手がけてきた名匠ジェームズ・マンゴールドがメガホンをとった。

1961年の冬、わずか10ドルだけをポケットにニューヨークへと降り立った青年ボブ・ディラン。恋人のシルヴィや音楽上のパートナーである女性フォーク歌手のジョーン・バエズ、そして彼の才能を認めるウディ・ガスリーやピート・シーガーら先輩ミュージシャンたちと出会ったディランは、時代の変化に呼応するフォークミュージックシーンの中で、次第にその魅了と歌声で世間の注目を集めていく。やがて「フォーク界のプリンス」「若者の代弁者」などと祭り上げられるようになるが、そのことに次第に違和感を抱くようになるディラン。高まる名声に反して自分の進む道に悩む彼は、1965年7月25日、ある決断をする。

ミネソタ出身の無名のミュージシャンだった19歳のボブ・ディランが、時代の寵児としてスターダムを駆け上がり、世界的なセンセーションを巻き起こしていく様子を描いていく。ボブ・ディラン役のティモシー・シャラメのほか、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ、ボイド・ホルブルックらが共演。

原作がイライジャ・ウォルドの著書『Dylan Goes Electric』である。故に、ニューポートフェスでエレキバンドをバックにトリをとって物議をかもしたシーンをクライマックスとしている。というわけで本作は、アコースティック時代のボブ・ディランを描いた作品だ。ディラン役のティモシー・シャラメが製作にも入っての渾身の演技。そして歌唱シーンは多くのシンガー映画と違い、シャラメ自身が歌っている。しかも声も良く、上手い。それだけで、このギター演奏も含めて、ハイレベルに至る鍛錬を想像すると、大きな賞を与えたくなる気分は理解できる。2時間半ちかい長尺だが、この手の音楽伝記では『楽曲をきちんと聞かせる』必要がある結果で、大筋だけなら100分もあればいいだろう。だが、クオリティの高いボブ・ディランやジョーン・バエズらの歌唱シーンも十分に満足できるので、長尺も気にならない。フォークシンガー(アコースティック)時代のディランの1962年から1965年頃までの物語なので、おそらく団塊の世代の諸氏には刺さる作品だろう。応援上映的なイベント性を持たせても面白い興行になるかもしれない。

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2025-005M 「私にふさわしいホテル」☆☆☆★★

Swatashinifusawashiihotel邦題:私にふさわしいホテル
時間:98分
公開:2024-12-27
製作年度:2024
製作国:日本
配給:日活、KDDI
製作総指揮:
製作:石井紹
監督:堤幸彦
脚本:川尻恵太
原作:柚木麻子
撮影:唐沢悟
音楽:野崎良太
出演:のん(中島加代子)、田中圭(遠藤道雄)、滝藤賢一(東十条宗典)、田中みな実(明美)、服部樹咲(有森光来)、高石あかり(東十条美和子)、橋本愛(書店員)、橘ケンチ(俳優)、光石研(ホテルの支配人)、若村麻由美(東十条千恵子)

堤幸彦監督がのんを主演に迎え、文壇を舞台に不遇な新人作家の逆襲を描いた柚木麻子の同名小説を映画化。

新人賞を受賞したものの大物作家・東十条宗典から酷評され、華々しいデビューを飾るどころか小説を発表する場すら得られなかった新人作家・加代子。憧れの「山の上ホテル」に宿泊した彼女は、憎き東十条が上階に泊まっていることを知る。加代子は大学時代の先輩でもある担当編集者・遠藤の手引きによって東十条の執筆を邪魔し、締切日に文芸誌の原稿を落とさせることに成功。しかし加代子にとって、ここからが本当の試練の始まりだった。文壇への返り咲きを狙う加代子と彼女に原稿を落とされたことを恨む東十条の因縁の対決は、予測不能な方向へと突き進んでいく。

編集者・遠藤を田中圭、大物作家・東十条を滝藤賢一が演じ、田中みな実、服部樹咲、髙石あかり、橋本愛が共演。

数多くの『舞台(ライブ)』をこなしている「のん」の、『演じる女』を演じる演技が秀逸。どこに主人公のリアルが描かれるか、ワクワクする。という入れ籠構造の、脚本も上手い。これが、演劇のステージでも、相当に面白い芝居になるだろうが、映画空間では、シークェンスの転換に、ならではの手法でリズムを出している。さすが堤幸彦監督の手練の技だ。

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2025-004M 「ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い」☆☆☆★

Slordoftheringlohan原題:The Lord of the Rings: The War of the Rohirrim
邦題:ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い
時間:134分
公開:2024-12-27
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:フラン・ウォルシュ ピーター・ジャクソン サム・レジスター キャロリン・ブラックウッド トビー・エメリッヒ
製作:フィリッパ・ボウエン ジェイソン・デマルコ ジョセフ・チョウ
監督:神山健治
脚本:ジェフリー・アディス ウィル・マシューズ フィービー・ギッティンズ アーティ・パパイョルイウ
原作:J・R・R・トールキン
原案:ジェフリー・アディス ウィル・マシューズ フィリッパ・ボウエン
撮影:
音楽:スティーブン・ギャラガー
出演:市村正親(ヘルム王)、小芝風花(王女ヘラ)、津田健次郎(ウルフ)、山寺宏一(ターグ将軍)、本田貴子(オルウィン)、中村悠一(フレアラフ)、森川智之(ハレス)、入野自由(ハマ)、田谷隼(リーフ)、斧アツシ(フレカ)、大塚芳忠(ソーン卿)、沢田敏子(老ペニクルック)、村治学(ロット)、飯泉征貴(シャンク)、坂本真綾(エオウィン)

J・R・R・トールキンの名作小説をピーター・ジャクソン監督が実写映画化したファンタジー大作「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の前日譚を描く長編アニメーション。小説「指輪物語 追補編」に書かれた騎士の国ローハン最強のヘルム王についての記述をふくらませたオリジナルストーリーで、実写版3部作の183年前に起こった伝説の戦いを描く。

誇り高き騎士の国ローハンは偉大なるヘルム王に護られてきたが、突然の攻撃を受け平和は崩れ去ってしまう。王国の運命を託された若き王女ヘラは国民の未来を守るべく、かつてともに育った幼なじみでもある最大の敵・ウルフとの戦いに身を投じていく。

監督には日本から「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズの神山健治が抜てきされ、「攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争」のStudio Sola Entertainmentがアニメーション制作を担当。実写3部作を手がけたピーター・ジャクソンやフラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエンがプロデューサーとして参加。日本語版では市村正親がヘルム王、小芝風花が王女ヘラ、津田健次郎が最大の敵ウルフの声を担当。

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2025-003M 「神は銃弾」☆☆☆★★

Skamihajudan原題:God Is a Bullet
邦題:神は銃弾
時間:156分
公開:2024-12-27
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:クロックワークス
製作総指揮:ナタリー・ペロッタ ジェイミー・フォックス チャック・パチェコ シドニー・キンメル ポール・ヨハンソン ジム・スティール サンティアゴ・ガルシア・ガルバン ネイト・ボロティン ニック・スパイサー アラム・ターツァキアン
製作:マイケル・メンデルソーン ドナルド・V・アレン
監督:ニック・カサベテス
脚本:ニック・カサベテス
原作:ボストン・テラン
撮影:ケンジ・カトリ
音楽:アーロン・ジグマン
出演:ニコライ・コスター=ワルドー、マイカ・モンロー、ジェイミー・フォックス、カール・グルスマン、ジャニュアリー・ジョーンズ、ポール・ヨハンセン、ブレンダン・セクストン三世、ギャレット・ウェアリング

「ジョンQ 最後の決断」「きみに読む物語」の名匠ニック・カサベテスがメガホンをとり、カルト教団に元妻を殺され、娘を拉致された男の怒りの追走劇を描いたノワールアクション。「このミステリーがすごい!」2002年版海外編で第1位を獲得するなど、日本でも高く評価されたボストン・テランのベストセラー小説「神は銃弾」を映画化した。

クリスマスの夜、刑事ボブ・ハイタワーの元妻とその夫が惨殺され、娘のギャビもこつ然と姿を消してしまう。その背後には、悪魔のようなカルト教団「左手の小径」の影がうごめいていた。絶望と怒りにさいなまれたボブは、かつてそのカルト教団に誘拐されたものの生還を果たした経験を持つ女性、ケース・ハーディンと出会う。ケースは心に深い傷を負っていたが、ボブの苦悩と覚悟に動かされ、彼に手を貸すことを決める。法の力も及ばず、正義の限界を悟ったボブも、刑事の職を捨て、その忌まわしい世界へと足を踏み入れることを決意。2人は痛みと怒りを武器に進んでいく。

主人公ボブを「ゲーム・オブ・スローンズ」のニコライ・コスター=ワルドー、ボブとともにカルト教団の闇に挑むケースを「HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ」「グレタ GRETA」のマイカ・モンローが演じた。そのほか、「Ray レイ」「コラテラル」のオスカー俳優ジェイミー・フォックスが共演。

「誘拐された娘を取り戻す父親」という『96時間』を連想するモチーフだが、相手は質の悪い狂信カルト集団。そのためディテールは生理的に嫌な気分になっていく。元秘密工作員のリーアム・ニーソンではなく、警察の内勤事務方のさえない役柄のニコライ・コスター=ワルドー。しかしカルト集団から離脱したマイカ・モンローとバディとなっての、娘追跡ロードムービーが展開されるなかでタフに変貌していく。結局は暴力でしか解決できないことがある、というキリスト教的正義をふりかざす欧米社会へのアンチテーゼになっているようだ。
それにしても途中で語られるから理解できるが、邦題はイマイチ腑に落ちない。というか乱暴な気がする。まあ、ボストン・テランの原作小説の原題を直訳した邦題がソレなのだから致し方ないだろう。だが、どれほど原作を読んだ者がいるのだろう。

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2025-002M 「I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ」☆☆☆★

Silikemovies原題:I Like Movies
邦題:I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ
時間:99分
公開:2024-12-27
製作年度:2022
製作国:カナダ
配給:イーニッド・フィルム
製作総指揮:ビクトリア・リーン マイケル・ソロモン
製作:リンジー・ブレア・ゲルドナー エバン・デュビンスキー チャンドラー・レバック
監督:チャンドラー・レバック
脚本:チャンドラー・レバック
原作:
撮影:リコ・モラン
音楽:マレー・ライトバーン
出演:アイザイア・レーティネン、ロミーナ・ドゥーゴ、クリスタ・ブリッジス、パーシー・ハインズ・ホワイト

レンタルDVD全盛期の2003年カナダを舞台に、他人との交流が苦手でトラブルばかり起こしてしまう映画好きな高校生の奮闘を描いた青春コメディ。

カナダの田舎町で暮らす高校生ローレンスは映画が生きがいで、ニューヨーク大学でトッド・ソロンズ監督から映画を学ぶことを夢見ている。社交性に乏しい彼は唯一の友人マットと毎日つるみながらも、そんな日常が大学で一変することを願っていた。高額な学費を貯めるために地元のビデオ店「Sequels」でアルバイトを始めたローレンスは、かつて女優を目指していた店長アラナらさまざまな人たちと出会い、奇妙な友情を育んでいく。そんなある日、ローレンスは自分の将来に対する不安から、大事な人を決定的に傷つけてしまう。

監督・脚本は、本作が長編デビューとなるチャンドラー・レバック。監督の自伝的ストーリーながら、主人公の性別をあえて男性に変更して撮りあげた。主演はラッパーとしても活動する若手俳優アイザイア・レティネン。

父の自殺でパニック障害の病歴のあるエキセントリックな映画オタクの高校三年生が主人公。自己価値観のみを信じて、他人は(唯一の友人でさえ)まったく共感をしない。そんな彼が目指すのはニューヨーク大学の映画専攻。しかし、なかなか自分の思う通りに世の中はできていない。という、かつて青年だった者が全員持つトラウマを刺激するコメディ。こんな奴は友達になんかなりたくないのだが、でも放っておけない感じの主人公を、見事に演じるアイザイア・レティネンに拍手。

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2025-001M 「陪審員2番」☆☆☆★★★

Sbaishinin2原題:Juror #2
邦題:陪審員2番
時間:114分
公開:2024
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:U-NEXT配信
製作総指揮:デビッド・M・バーンスタイン エレン・ゴールドスミス=バイン ジェレミー・ベル
製作:クリント・イーストウッド ティム・ムーア ジェシカ・マイヤー アダム・グッドマン マット・スキーナ
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ジョナサン・エイブラムズ
原作:
撮影:イブ・ベランジェ
音楽:マーク・マンシーナ
出演:ニコラス・ホルト、トニ・コレット、J・K・シモンズ、キーファー・サザーランド

「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」のクリント・イーストウッドが、94歳を迎えた2024年に発表した監督作。ある殺人事件に関する裁判で陪審員をすることになった主人公が、思いがけないかたちで事件とのかかわりが明らかになり、煩悶する姿を描いた法廷ミステリー。

ジャスティン・ケンプは雨の夜に車を運転中、何かをひいてしまうが、車から出て確認しても周囲には何もなかった。その後、ジャスティンは、恋人を殺害した容疑で殺人罪に問われた男の裁判で陪審員を務めることになる。しかし、やがて思いがけないかたちで彼自身が事件の当事者となり、被告を有罪にするか釈放するか、深刻なジレンマに陥ることになる。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のニコラス・ホルトが主人公ジャスティンを演じるほか、「ヘレディタリー 継承」のトニ・コレット、「セッション」のJ・K・シモンズ、「24 TWENTY FOUR」のキーファー・サザーランドらが共演。陪審員のひとりとして、リアリティ番組「テラスハウス」などに出演した日本人俳優の福山智可子も出演している。

2025年を代表するだろう作品。イーストウッドの新作が、劇場公開されず配信のみという現実に背筋が凍る。年末にベスト10を選出する評論家諸氏は「劇場公開されていない」作品を選択できるのだろうか。

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2024-354M 「イエスタデイ」☆☆☆☆

Syester_20241230173201原題:Yesterday
邦題:イエスタデイ
時間:116分
公開:2019-10-11
製作年度:2019
製作国:イギリス
配給:東宝東和
製作総指揮:ニック・エンジェル、リー・ブレイジャー
製作:ティム・ビーバン、エリック・フェルナー、バーナード・ベリュー、マシュー・ジェームズ・ウィルキンソン、リチャード・カーティス、ダニー・ボイル
監督:ダニー・ボイル
脚本:リチャード・カーティス
原作:
撮影:
音楽:
出演:ヒメーシュ・パテル、リリー・ジェームズ、ケイト・マッキノン、エド・シーラン

今年最後の「映画」のチョイスは、僕の生涯ベスト5の1本。限りなくハッピーに酔える傑作だ。

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2024-353M 「占領都市」☆☆☆★

Socupiedcity原題:Occupied City
邦題:占領都市
時間:251分
公開:2024-12-27
製作年度:2023
製作国:イギリス・オランダ・アメリカ
配給:トランスフォーマー、TBSテレビ
製作総指揮:アーノン・ミルチャン ヤリフ・ミルチャン マイケル・シェイファー ベン・コトナー アドリアナ・バンタ エミリー・オズボーン オリー・マッデン ダニエル・バトセック ベン・コーレン クレア・デ・コーニング
製作:フロア・オンラスト スティーブ・マックイーン アンナ・スミス・テンサー ビアンカ・スティグター
監督:スティーブ・マックイーン
脚本:ビアンカ・スティグター
原作:ビアンカ・スティグター
撮影:レナート・ヒレヘ
音楽:ローラ・ベル
出演:メラニー・ハイアムズ

「それでも夜は明ける」のスティーブ・マックイーン監督が、ナチスドイツ占領下で10万人以上が虐殺された大都市アムステルダムの恐怖の記憶を描いたドキュメンタリー。

第2次世界大戦中の1940年5月から5年間にわたってナチスドイツの占領下におかれたオランダの首都アムステルダム。人々は人権や言論の自由を奪われ、ユダヤ人を中心に10万人以上もの犠牲者が出た。アムステルダムを第2の故郷として暮らすマックイーン監督が、歴史家で妻のビアンカ・スティグターによる著書「Atlas of an Occupied City (Amsterdam 1940-1945)」を原作に、忌まわしい虐殺の記憶をもつさまざまな場所を通して恐怖の日々を復元。アーカイブ映像やインタビューによる回想はあえて使用せず、35ミリフィルムで130カ所にもおよぶ“現場”を正確にとらえることで、当時の記憶を鮮烈によみがえらせていく。

「ポール・ヴァーホーヴェン トリック」などのレナート・ヒレヘが撮影を手がけ、「aftersun アフターサン」のオリバー・コーツが音楽を担当。

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2024-352M 「聖なるイチジクの種」☆☆☆★

Sichijikunotane原題:The Seed of the Sacred Fig
邦題:聖なるイチジクの種
時間:167分
公開:2025-02-14
製作年度:2024
製作国:ドイツ・フランス・イラン
配給:ギャガ
製作総指揮:
製作:モハマド・ラスロフ ジャン=クリストフ・サイモン
監督:モハマド・ラスロフ
脚本:モハマド・ラスロフ
原作:
撮影:プーヤン・アガババイ
音楽:
出演:ミシャク・ザラ、ソヘイラ・ゴレスターニ、マフサ・ロスタミ、セターレ・マレキ

家の中で消えた銃をめぐって家庭内に疑心暗鬼が広がっていく様子をスリリングに描き、2024年・第77回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞したサスペンススリラー。

「悪は存在せず」などで国際的に高く評価されながらも母国イランでは自作映画で政府を批判したとして複数の有罪判決を受けたモハマド・ラスロフ監督が、2022年に1人の女性の不審死をきっかけに起きた抗議運動を背景に、実際の映像も盛り込みながら描きだす。

テヘランで妻や2人の娘と暮らすイマンは20年にわたる勤勉さと愛国心を評価され、念願だった予審判事に昇進する。しかし仕事の内容は、反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を下すための国家の下働きだった。報復の危険があるため家族を守る護身用の銃が国から支給されるが、ある日、家庭内でその銃が消えてしまう。当初はイマンの不始末による紛失と思われたが、次第に妻ナジメ、長女レズワン、次女サナの3人に疑惑の目が向けられるように。捜索が進むにつれて家族でさえ知らなかったそれぞれの顔が浮かびあがり、事態は思わぬ方向へと狂いはじめる。

長尺だが、動機がいまひとつわからない。

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